基金用語延滞金は、保険料やその他の徴収金の滞納に対する遅延利息です。この延滞金は、公法上のもので、法令により徴収権や率などが定められています。公的年金制度では、保険料(掛金)に滞納があった場合、保険者(基金)は 期限を指定して督促を行い、滞納の場合に延滞金の徴収を行う義務が課されています。厚生年金基金においても厚生年金保険法においてそれらが規定され義務化されています。基金の掛金が納付期限や指定期限までに納付されれば問題ありませんが、 指定期限を過ぎた場合は、延滞金を徴収する必要があります。延滞金の率は年14.6%となっており、納付期限の翌日から完納までの日割り計算で算出されます。ただし、掛金が千円未満であるとき等の場合は徴収されません。延滞金の計算におい て、掛金の千円未満の端数や延滞金の百円未満の端数は切り捨てられます。また、計算の結果、延滞金が百円未満であったときは徴収されません。
オルタナティブ(代替)は、市場の低迷などにより最近、運用商品の一つの総称的なものとして使われています。従来の伝統的な資産(債券や株式)に替わる資産(為替や不動産など)による資産運用で効果的な収益を期待する商品です。この代替的投資には数多くの商品がありますが、代表的なものとして、ファンドオブファンズ型(様々な資産の裁定取引を中心に複数の戦略を組合わせたもの)やロングショート・マーケットニュートラル型(特定の資産クラス内での裁定取引に特化したもの)などがあります。
【回復計画】(かいふくけいかく) 〔年金・財政〕 先頭に戻る
毎年度の決算に対して、財政検証が行われます。財政検証は、年金資産額が将来にわたる給付を賄える額(積立水準)以上積立てられているか否かを検証するものです。年金資産額が積立水準以上であれば問題ありませんが、水準に達していない場合は、掛金の繰上計算を行うか、回復計画を策定し、積立水準を保つ必要があります。回復計画は、積立不足を解消(回復)するための計画書といえます。
《掛金の繰上計算》
財政検証のうち、継続基準(将来給付と掛金・運用収入を考慮し、必要な年金資産の積立が計画どおり行われているか否かの検証)においては、積立不足(責任準備金を下回る場合)に対して回復を図ることとされ、特に、純資産額が許容繰越不足金を下回る場合は、財政再計算を待たずに掛金の再計算を行うこととなっています。これを繰上計算とか変更計算といいます。
《回復計画の策定》
一方、非継続基準(現時点までに発生している債務に見合う積立金が保有されているか否かの検証)においては、積立不足(純資産額が最低積立基準額の90%または最低責任準備金の105%を下回る場合)に対し、原則として@回復計画を策定するか、A積立比率に応じて掛金を設定することとなっています。回復計画は、掛金収入、運用収入、給付費等を勘案し、翌年度から7年以内に非継続基準を満たすよう策定します。
掛金は、基金の事業費を賄うために事業主や加入員が負担する資金で、社会保険の保険料に相当するものです。掛金には、年金給付の原資に充てる「年金掛金」、加入の記録や年金の支払などに必要な事務経費を賄う「事務費掛金」、そして保養所の運営費や福祉給付金などを賄う「福祉施設掛金」があります。年金掛金については、目的に応じて、「標準掛金」と「特別掛金」あるいは「特例掛金」に区分され、標準掛金は、さらに「基本掛金」と「加算掛金」に細分されています。
《基本掛金と加算掛金》
標準掛金は、資産運用などをも考慮し、財政計算に基き設定された将来給付の支給を賄うに必要な資金です。この標準掛金には、基金に求められる基本的な給付(代行部分と上乗せ部分)を賄うに必要な掛金(「基本標準掛金」といいます。)と、基金の任意な給付(加算部分)を賄うに必要な掛金(「加算標準掛金」といいます。)とがあります。
《特別掛金と特例掛金》
特別掛金は、資産の運用損失などにより、予定の資産の積立に不足を生じた場合、これ(過去勤務債務)を補填するために設定する特別の掛金です。また、特例掛金は、単年度に発生する不足金を予め見込んで徴収したり、積立水準の回復が困難な場合に徴求するなど特例的に設定する掛金です。なお、特別掛金には、そのほか、確定給付企業年金法の制定に伴って設けられた事業所減少に係る特別掛金やこれと同趣の脱退時特別掛金と呼ばれているものがあります。
監事は、厚生年金基金の自己監査機関です。厚生年金基金は、厚生年金保険の一部を代行する公法人であり、基金の事業を長期にわたり健全に継続させる必要上、自己監査機関の設置・選任が義務付けられています。監事は2名構成で、代議員会の選挙により、選定代議員と互選代議員から各1名が選出されます。監事は、毎年度、監査実施計画を策定し、月例監査や総合監査などにあたります。
【基金運営の弾力化】(ききんうんえいのだんりょうか) 〔年金・財政〕 先頭に戻る
厚生年金基金の運営については、国において基準が示されています。年金資産の積み立てについても、毎年度、基準に従った財政検証が行われ、積立基準を満たしていない場合は、掛金の引上げや回復計画を立てることとされています。ところが、年金資産の運用環境の悪化によって、平成12・13・14年度とマイナス運用が続き、基準による財政検証では多くの基金が大幅な掛金の引上げなどが必要となりました。このため、国は、運営基準を緩和した取扱い通知を出しました。これが、「基金運営の弾力化」といわれるものです。基金運営の弾力化措置は、次の概要のとおり、3回出されています。
《平成13年度の弾力化》
回復計画について、過去3年間のうち2回以上基準以上であれば作成不要資産評価方法について、時価の短期的変動をならし、過去5年分の平均を用いることが可
積立不足のうち、80%未満部分を5年以内、90%未満部分を10年以内に償却する方法も可
《平成14年度の弾力化》
給付水準の見直し等を行う旨を、平成14年度中に代議員会において議決した場合は、平成13年度の財政検証に基づく掛金の適用を最大2年間(平成16年4月1日まで)猶予
掛金の適用については、最大5年間かけて毎年段階的に引上げることも可
《平成15年度の弾力化
平成14年度の弾力化措置を延長平成18年度までの財政検証において、回復計画により90%までの積立水準に回復させるための期間(現行7年)を最大10年に延長
掛金の算定の基礎となる「基礎率」とは、予定利率、予定死亡率、予定脱退率、予定昇給率などがあります。
@ 予定利率
予定利率は、掛金算定において前提となる資産運用の収益率の見込
みです。
予定利率が高ければ運用収益が多く見込め、掛金は低くなり、逆であ
れば高くなります。
A 予定死亡率
予定死亡率は、加入員や年金受給者の予定される死亡率で、国の財
政運営基準で定められますが、その範囲内で基金が選択した率を使用
することができます。
B 予定脱退率
加入員の過去3年間以上の脱退実績と将来における脱退見通しで、そ
れにより率が決められます。
C 予定昇給率
加入員の標準給与の実績等に基づき、勤続年数による賃金上昇を見
込んで算定される昇給率です。
D その他新規加入員の見込みについても基礎率として使用されます。
【基本掛金率】(きほんかけきんりつ) 〔年金・財政〕 先頭に戻る
免除料率は、個々の基金における加入員の年齢構成などによって異なり、国が料率を決定し、基金に通知されます。基金は、国が決定した免除料率に基金独自の上乗せ部分の掛金率を加え、基本掛金として各事業所に告知し毎月納付していただいています。なお、基金の掛金には、基本掛金のほかに、積立不足を解消するための特別掛金が設定されていますので、基本掛金に合わせ特別掛金の告知を行い納付いただいています。
【給付水準】(きゅうふすいじゅん) 〔年金・財政〕 先頭に戻る
給付水準とは、年金制度において、加入者に対する給付(年金額)の程度を示す数値といえます。この水準は、個々人の加入期間中の平均給与を基礎として、そのどの程度を年金として給付するかを決めています。その決められた程度は、給付乗率として示されています。現在、厚生年金保険での給付水準は、平均給与の概ね6割となっていますが、平成16年の年金改革で再検討されています。
《基金の給付水準》
厚生年金基金における上乗せ部分(プラスアルファ部分)の給付水準については、個々の基金が決めることとなっていますが、国が示す運営基準において、代行部分の1割以上とすることとされています。
【給付乗率】(きゅうふじょうりつ) 〔年金・財政〕 先頭に戻る
給付乗率は、年金額の算出係数の一つです。年金額の算出には、年金制度(厚生年金基金)に加入していた期間(加入月数)とその間の平均給与の月額が基となりますが、このほかに、給付乗率が用いられます。各年金制度は、加入期間中の所得レベルに対してどの程度の年金を支給するかといった給付水準を定めています。この給付水準を年金額の算出率に換算したものが給付乗率です。厚生年金基金の給付水準は、国の基準において代行部分の1割(新設基金は5割)以上と定められていますが、各基金の給付の内容等により給付水準の実態は異なっています。当基金の現在の給付水準は12.1%であり、これに対する給付乗率は0.7‰となっています。
許容乖離幅とは、通常「許容乖離率」といい、資産の時価額と財政運営上の評価額とが乖離しても許容される幅であり、基金が許容乖離率として定めています。当基金では、資産配分において、りそな信託銀行の各資産に2%の許容乖離幅を設定しています。 時価の変動により、各資産の構成割合が崩れても、許容乖離幅の範囲であればよいこととなり、範囲を超えた場合は修正することになります。
【業務報告書】(ぎょうむほうこくしょ) 〔年金・財政〕 先頭に戻る
厚生年金基金においては、業務の状況(適用状況や給付状況、掛金徴収状況、掛金免除状況など)を定期的に厚生労働大臣に報告することが義務づけられています。この厚生年金基金に課せられた業務報告のためのものが「業務報告書」です。業務報告は、毎事業年度の6月、9月、12月、3月の各末日現在の状況を業務報告書に記載し、それぞれ翌月の15日までに提出することとされています。
厚生年金基金における業務は、代議員会や理事会の運営、標準給与の決定や給付の裁定、加入員記録や給付記録の管理、掛金の賦課・徴収など多岐にわたっています。これらは基金がみずから処理しなければなりませんが、高度な専門性を必要とする業務や委託した方が効率的な業務は、信託銀行や厚生年金基金連合会などに委託することができるようになっています。当基金でも、専門性を有する年金数理事務や効率性のある給付の支払事務などを委託しています。
【繰上計算】(くりあげけいさん) 〔年金・財政〕 先頭に戻る
繰上計算とは、掛金の再計算を繰上げて実施することです。基金の掛金は、5年毎の財政再計算時に再計算するのが原則ですが、積立不足が一定の範囲を超えますと、繰上げて、その実施が求められます
【継続基準・非継続基準】(けいぞくきじゅん・ひけいぞくきじゅん)〔年金・財政〕 先頭に戻る
継続基準も非継続基準も決算毎に行われる財政検証での基準です。継続基準と非継続基準の違いは、「継続基準」が基金を継続して運営していくことを前提としたもので、将来の給付を賄うための年金資産が計画どおり積立てられているかどうかを検証する基準です。これに対し、「非継続基準」は、基金が解散したと仮定した場合の検証で、解散による加入員や受給者に対して保全する給付に必要な年金資産が確保(保有)されているかどうかを検証する基準です。継続基準では、責任準備金以上の年金資産(純資産額)の確保が必要とされています。また、非継続基準では、最低責任準備金と最低積立基準額の2つの基準があり、これに対する年金資産(純資産額)の確保が必要とされています。非継続基準では、年金資産の確保に必要な水準値が、最低責任準備金の場合が1.05と、最低積立基準額の場合が0.9(平成18年度決算まで)と決められています。
【減少時特別掛金】(げんしょうじとくべつかけきん) 〔年金・財政〕 先頭に戻る
減少時特別掛金は、基金の加入事業所が基金からぬけるときに納付する掛金です。加入事業所が基金から任意脱退したり、倒産・閉鎖・合併・移転などによりぬけることとなりますと基金の加入事業所数が減少することとなります。この現象を厚生年金保険法では『減少』と表記しており、これによる呼称的な掛金です。この掛金は、その減少の際に一括して告知・納付する特別な掛金で、決められた掛金率に基づき毎月納付する通常の掛金と区別されています。不足金を解消するために設定された毎月納付の特別掛金とも異なります。減少時特別掛金は、減少事業所が納付すべきである掛金で、不足金を解消するための特別掛金分(未償却分)やまだ特別掛金化していない不足金分などに相当します。この減少時特別掛金は、減少事業所の加入員の年金給付財源として予定されているもので、事業所の減少により、残る加入事業所がそれら不足金分を余分に負担することのないように減少事業所に一括して納付させることとなっています。
【最低責任準備金】 (さいていせきにんじゅんびきん) 〔年金・財政〕 先頭に戻る
責任準備金は、将来の給付費相当額で、最低責任準備金(代行部分の数理債務)とプラスアルファ部分の数理債務を加えた額から未償却過去勤務債務を控除した額となっています。最低責任準備金は、解散と仮定したその時点での厚生年金基金連合会に返上する代行部分の額です。また、最低積立基準額は、解散と仮定した時点の代行部分を含めた保全給付費です。
【財政検証】 (ざいせいけんしょう) 〔年金・財政〕 先頭に戻る
基金の財政は、収支相等の原則が基本とされ、財政方式は積立方式が採用されています。積立方式では、基礎率(予定運用利率、予定死亡率、予定昇給指数、予定脱退率)をもって掛金率を算出し、その積立金で給付を賄う仕組みとなっています。財政検証の方法には、継続基準と非継続基準があり、積立金が毎決算時に給付費を賄うに足りるか否か(予定どおり積立が進んでいるかどうか)のチェックが行われます。財政検証の結果、積立不足の場合は、回復計画を立て、その不足の解消を図る必要があります継続基準における回復計画は、繰越不足金が許容繰越不足金を超える場合は、掛金の変更計算を行い、原則として20年以内で繰越不足金が解消できるよう特別掛金を設定することとなります。非継続基準における回復計画は、10年以内に解消することとした計画書の策定等を行うこととなります。
【財政再計算】 (ざいせいさいけいさん) 〔年金・財政〕 先頭に戻る
厚生年金基金などでいう「財政再計算」とは、掛金の見直しを意味しています。厚生年金基金などでは、5年毎に財政再計算が義務付けられています。これは、年金財政の長期的な健全性を保つために行われ、掛金の算定の基礎となる基礎率を過去の実績や将来の見通しに基づいて再検討し、新たに掛金率が算定しなおされます。財政再計算の結果は、代議員会の承認を得た上、厚生労働大臣にその報告書を提出することとなります。
【財政の中立化】 (ざいせいのちゅうりつか) 〔年金・財政〕 先頭に戻る
財政の中立化とは、厚生年金本体と厚生年金基金の代行部分との財政の中立化のことであり、次の措置により図らます。この財政の中立化は、平成16年の年金改正により実現され、基金の代行部分の制度的な財政負担が解消されました。
◎代行部分の支給に必要な免除料率が確保されることとなった
◎代行部分の支給乗率が厚生年金本体の支給乗率を超える部分や65歳
前の給付部分について政府負担金として手当されることとなった
◎基金の最低責任準備金の算定について厚生年金本体の運用利回りが用
いられることとなった
◎最低責任準備金が代行給付現価の二分の一を下回った場合の財源手当
が行われることとなった
これらにより、代行部分については基金の財政負担が生じないこととなりますが、基金の資産運用は厚生年金本体の運用利回りを超える必要があります。
【指定基金制度】 (していききんせいど) 〔年金・財政〕 先頭に戻る
平成16年の年金改正法(国民年金法等の一部を改正する法律(法律第104号))によって、「指定基金」制度が新たに設けられました。これは、財政悪化に陥った厚生年金基金への対策として、厚生年金保険法に第178条の2(指定基金による健全化計画の作成)の規定が新設されたものです。指定要件指定基金とは、積立金が基準を下回るとして厚生労働大臣が指定する基金をいい、指定の要件については、政令で定めるとなっています。現在、この政令は未公布で、具体的な指定要件は不詳ですが、過去3年間、時価資産が最低責任準備金を下回る状態の基金が指定の対象となるものとみられています。指定措置指定を受けた基金は、健全化計画を作成し、厚生労働大臣の承認を受けることとなります。この計画についても、政令事項となっていますが、国主導による指定後5年以内の財政の健全化(掛金の引上げや給付減額などの強力な推進。合併や解散も視野に入れるものと想われます。)が求められることのようです。健全化計画は、承認により、変更が可能とされていますが、必要に応じて、厚生労働大臣が変更を求めることができるようにもなっています。解散命令基金が健全化計画に違反したときや大臣の健全化計画の変更の求めに応じなかったときは、厚生労働大臣は基金に対して解散命令を発することができることとされています。(第179条第5項の改正)
【支払差止】 (しはらいさしとめ) 〔年金・財政〕 先頭に戻る
受給権を得た年金は、全額支給停止の間を除き、受給者が生存している限り各支払月に自動的に受給者に支払われます。受給者が死亡し年金を受ける権利が失われても、その届出が基金に提出されない場合も自動的な支払が行われることとなり、年金の過払いとなってしまいます。この過払いをできるだけなくすために、受給者の誕生月に「現況届」を提出していただき生存を確認することとなっています。しかし、基金では送付した「現況届」が誕生月の末日までに返送されませんと、その方の年金を受ける権利が確認できないため、年金の支払を一時差し止めることとなっています。この年金の支払差止は、その後に現況届の提出によって解除して支払を継続し、また、受給者の死亡が届出などによって確認できた場合は、年金の失権処理を行い、過払い分や未払い分の調整を行います。
【収支相等の原則】(しゅうしそうとうのげんそく) 〔年金・財政〕 先頭に戻る
基金の財政は、原則として、将来にわたり収支の均衡が図られていること(収支相等の原則)が求められています。このため、基金は、予定利率や加入員見込み等の基礎率を基に掛金の算出を行って、将来の給付を賄うこととなっています。しかし、基礎率は、予測値ですから、実態とは乖離することとなります。そこで、一定期間毎に基礎率を見直し、掛金の再計算を行い、収支相等の原則に戻すことが必要となります。
【修正総合利回り】(しゅうせいそうごりまわり) 〔運用〕 先頭に戻る
修正総合利回り修正総合利回りは、前期末の評価損益の有無による単年度利回りの歪みを修正し、より実態に近い収益率としたもので、総合利回り(トータルリターン)の分母に前期末の評価損益及び未収収益を加えることによって前期末の時価に近い金額に修正して算出されます。
日本版REIT(J-REIT)は、不動産の所有権等に直接投資する「エクイティ投資型」の不動産証券化商品です。仕組みは、投資法人という不動産投資を専門に行う会社が投資用の不動産を取得し、この不動産から生じる賃貸収益等によって投資家への配当金等を払うこととなっています。配当は、賃貸収入を主として得られた課税所得の90%以上となっており、安定的な配当利回りが期待できます。
厚生年金基金では、加入員に対する将来の年金給付に備え、掛金の積立とその資産の運用を行っています。資産は、掛金収入や運用損益あるいは年金給付費の支払やその支払経費、運用経費などにより常に変動し、常時、増減結果の経理処理が行われていますが、資産の確定(評価)は、各年度末(決算)において未収金や未払金を増減して行うこととなっています。 この決算による資産額を「純資産額」といいます。純資産額の算出は、〔流動資産+固定資産〕−〔流動負債+支払備金〕として行われます。
流動資産:現金や預貯金、未収の掛金・受換金・政府負担金など
固定資産:資産の運用機関における信託資産
流動負債:未払の運用報酬・業務委託費など
支払備金:未払の給付費・移換金
純資産額は、このように基金が実際に保有している資産(積立金)といえますが、基金は、将来の年金給付を行っていくことから、年金経理の上では「数理上資産額」といったものも使われています。数理上資産額資産額の評価は通常時価によりますが、運用により時価は変動するため、将来的な経理上のバランスを計ることとし、それをならして毎年度の資産が評価されるものです。評価は、時価の平均的な変動差を時価資産額に増減(調整)した額が資産額となります。
【数理計算上の剰余金】 (すうりけいさんじょうのじょうよきん) 〔年金・財政〕 先頭に戻る
数理上の剰余金は、制度の改正に伴う財政運営基準の変更による収支計算の矛盾によって一時的に発生した剰余金で、次期財政再計算において、矛盾が解消し、その剰余金は消失することとなります。 (発生要素)年金改正法で給付水準の引下げ等が行われ、平成17年度以降の給付現価に適用されることとなりました。しかし、これに見合う掛金の見直しは行わず、従前の高い水準の掛金収入を数理上見込むこととなっています。このため、数理上の収支に差を生じ、剰余を発生させる結果となっています。
【政策的アセット・ミックス】 (せいさくあせっとみっくす) 〔運用〕 先頭に戻る
年金資産の運用方針なり指針の設定などにおいて、「アセット・ミックス」とか「アセット・アロケーション」あるいは「マネジャー・ストラクチャー」といった言葉が使われています。アセット・ミックスは、年金資産をどのような資産(債券や株式など)にどの程度の割合で配分するかといった方針に基づき決められた基本的・政策的な資産構成と定義されています。基金の資産運用は、政策的アセット・ミックスの構築が大切であるとされ、基金の現状なり将来予測の分析と許容リスクを勘案してアセット・ミックスを決定するのが一般的となっています。アセット・アロケーションは、基本的な方針に基づき、最適な運用を得るために、どのように受託機関等へどう資産を配分するかといった資産配分行為あるいは資産配分状況と定義されています。 マネジャー・ストラクチャー マネジャー・ストラクチャーは、最近使われるようになった言葉で、受託機関構成などと定義されています。マネジャー・ストラクチャーでは、バランス型運用機関の数や役割を見直し、運用機関の役割を明確化にして、政策的アセット・ミックスや運用方針を適切に実行する枠組みを構築することができるといわれています。どのような運用機関をどのように組合わせた受託機関構成とするかは、アセット・アロケーションと類似はしていますが、マネジャー・ストラクチャーは、アセット・アロケーションの調整機能や運用コストなども考慮して受託機関構成を構築するといったことも目的とされています。
年金給付を目的とする年金(基金)制度では、発足後徐々に年金受給者が増加し、その数が多いほど制度が成熟しているということになります。この年金制度の成熟状態を見る尺度を「成熟度」と呼んでおり、一般的に年金受給者の構成割合(受給者数÷加入員数×100)で表されます。当基金の成熟度は、50%台ですので、加入員2人で受給者1人を支えるといった状況にあります。また、成熟度は制度の財政状態を計る尺度でもあります。成熟度が高いということは、年金給付費(支出額)も高いこととなり、その財政負担も大きいわけです。財政状態を計る成熟度は、一般的に年金給付額÷掛金収納額×100として求められます。
【責任準備金】 (せきにんじゅんびきん) 〔年金・財政〕 先頭に戻る
責任準備金は、将来の給付費相当額で、最低責任準備金(代行部分の数理債務)とプラスアルファ部分の数理債務を加えた額から未償却過去勤務債務を控除した額となっています。最低責任準備金は、解散と仮定したその時点での厚生年金基金連合会に返上する代行部分の額です。また、最低積立基準額は、解散と仮定した時点の代行部分を含めた保全給付費です。
総幹事〔総幹事会社〕とは、複数の受託機関を取りまとめる役割をする信託銀行または生命保険会社をいいます。厚生年金基金が複数の受託機関と信託契約や保険契約を結び、基金の運用管理を委ねる場合に、各受託機関への年金給付の指示などを総幹事を窓口として行う仕組みが採られています。これを総幹事制といい、基金は受託機関のなかの一社を選び、総幹事会社に任命することとなっています。当基金においては「りそな信託銀行」を総幹事として任命しています。総幹事は、年金資産の運用以外の制度の管理・運用業務なども統括します。
【代議員 】 (だいぎいん) 〔年金・財政関係〕 先頭に戻る
代議員は、基金における議決機関の構成員で、その数は加入員数や設立事業所数の分布状況などを考慮して決めることとされています。代議員の選出は、半数を事業主が選任し、残る半数は加入員の互選する方法が採られています。任期は3年以内で規約で定めるものとされています。代議員会では、規約の変更や毎事業年度の予算・決算など基金の重要事項を審議し、決議します。
【代議員会】 (だいぎいんかい) 〔年金・財政〕 先頭に戻る
代議員会は、厚生年金基金の議決機関で、基金の重要事項(規約変更、予算・決算など)を審議し、決議します。代議員会の設置は厚生年金保険法で義務づけられており、代議員会を構成する代議員の定数などについては基金の規約で定めることとされています。代議員会には、通常代議員会と臨時代議員会とがあり、通常代議員会は毎年度2回(予算代議員会・2月、決算代議員会・9月)は必ず開催し、臨時代議員会は必要に応じ(理事長招集)または代議員の三分の一以上の要求により開催されます。
待期者とは、支給開始年齢前に、退職等により基金の加入員資格を失った人で、年金を受ける資格期間(当基金の場合、10年以上の加入員期間)を満たしている人をいいます。これらの人は、年金を受ける権利があり、支給開始年齢待ちのため、基金制度において「年金受給待期者」などと呼ばれています。
【代行部分と上乗せ部分】(だいこうぶぶんとうわのせぶぶん)〔年金・財政〕 先頭に戻る
厚生年金基金の年金給付は、代行部分と基金独自の給付である上乗せ部分(プラスアルファ部分とか加算部分とかとも言われます。)から構成することとされています。
《代行部分》
代行部分は、基金が、厚生年金保険法による老齢年金の支給を国に代わって支給する給付です。基金が代行する給付は、厚生年金の加入期間の全てではなく、基金の加入員であった期間に対する老齢年金の部分のみとなります。したがって、厚生年金基金に加入していなかった厚生年金の加入期間に対する老齢年金は国から支給されることとなります。いくつかの厚生年金基金に加入し、要件を満たした方は、それぞれの基金(加入期間数によっては厚生年金基金連合会)からも代行部分の支給を受けることとなります。
《上乗せ(プラスアルファ)部分》
上乗せ部分は、代行部分に上乗せして支給することとされている基金独自の給付です。このため、基金の給付は、国の老齢年金よりも厚い(高い)給付水準となっています。上乗せ部分は、基金独自の給付ですので、各基金において色々な給付形態を設定していますが、当基金の上乗せ部分は、給付乗率を千分の1.4として、一律給付することとしています。上乗せ部分の算出は、加入員の平均標準給与月額×1.4‰×加入員月数として計算されます。なお、上乗せ部分の給付水準(給付額)については、国の基準により、代行部分の給付額の1割以上とされています 。
【滞納処分】 (たいのうしょぶん) 〔年金・財政〕 先頭に戻る
公的年金制度においては、保険料などの徴収金が納付期限までに納付されませんと、保険者は期限を指定して督促状を発行します。しかし、この督促期限においてもなお納付されない場合は、国税の滞納処分の例によって滞納者の財産の差し押さえ、その財産の売却額を保険料に充当するなどの強制処分が行われます。厚生年金基金においても、公的年金を代行していることから、債権の徴収・保全について、国税滞納処分の例による機能が賦与されています。厚生年金基金は、納付義務者である事業主が督促期限までに掛金を納付されない場合は、厚生労働大臣に対して、基金自身が滞納処分を行うための滞納処分認可申請を行うこととなります。厚生労働大臣の滞納処分の認可があった場合は、基金は国の厚生年金の滞納処分と同様に国税滞納処分の例によって処分することができます。なお、国税や地方税などの滞納により滞納処分を受けた場合は、掛金の納期を繰上て納入告知することがありますが、その指定期限までに納付されないときも、同様に滞納処分の請求、認可申請が行えます。
【脱退時特別掛金】 (だったいじとくべつかけきん) 〔年金・財政〕 先頭に戻る
脱退時特別掛金は、減少時特別掛金前の呼称掛金です。従来、任意脱退事業所を主体とする特別掛金一括徴収の取扱がなされていましたが、平成13年6月の確定給付企業年金法制定の際、厚生年金保険法が改正され、脱退時特別掛金に替わり減少時特別掛金として法制化されました。これにより、法的根拠を持つ掛金として、企業年金と厚生年金基金に減少時特別掛金が導入されています。
【中途脱退者と移換金】(ちゅうとだったいしゃといかんきん) 〔年金・財政〕 先頭に戻る
厚生年金基金に加入している人(加入員)が、退職や死亡あるいは70歳に到達しますと加入員の資格を失います。このような人のうち、事業所を途中で退職した人を特に「中途脱退者」といいます。中途脱退者も加入員期間に応じた年金給付を受けることができますが、通常、加入員期間が10年未満ですと、加入していた厚生年金基金からではなく、企業年金連合会というところから年金を受けることとなっています。
《移換金》
企業年金連合会は、個々の厚生年金基金における中途脱退者の方々の年金給付を一括して行っています。このため、各厚生年金基金は、中途脱退者の年金給付に必要な原資を厚生年金基金連合会に移換することとなっています。 この原資を「移換金」といいます。
資産運用は、通常、ベンチマークを上回ることを目標としています。資産運用結果の利回り(修正総合利回り)がベンチマークを上回った場合は、超過収益が得られたことになりますが、下回ることもあります。超過収益は、資産毎にそれぞれのベンチマークで比較しますが、複数資産においては複合ベンチマーク比較をします。
【超過収益率】 (ちょうかしゅうえきりつ) 〔運用〕 先頭に戻る
超過収益率とは、年金資産の運用で目標とする収益率を超える率をいいます。目標収益率は、一般的には市場指標(インデックス)が用いられていますので、超過収益率は、市場の騰落率と運用結果による実際の収益率との差率といえます。年金資産の運用スタイルには、「アクティブ運用」と「パッシブ運用」とがあり、超過収益率をねらえるのはアクティブ運用です。アクティブ運用は、市況変動を積極的に利用し、市場平均の収益率を上回る収益を得ることを目的とした運用スタイルです。パッシブ運用は、市場平均並みの収益を目的とした運用スタイルです。このパッシブ運用は、市場平均としてインデックスを用いることから「インデックス運用」とも呼ばれています。アクティブ運用とパッシブ運用のどちらを選択するかは、市場をどの程度効率的なものと判断するかによって決めることとなります。この場合、リスクやコスト(パッシブ運用の方が低コスト)なども考慮することとなります。
【年金ALM】 (ねんきんえーえるえむ) 〔運用・財政〕 先頭に戻る
ALMは、AssetLiabilityManagementの略で、資産と負債の統合管理手法と言われ、最適な年金資産の政策アセット・アロケーション(資産配分)を策定するための手法です。
《資産と負債の分析》
年金ALMは、まず基金の資産と負債の分析を行い、これに基づいて年金財政の将来予測が行われます。資産分析では、基金の財政状況と資産別のリスク・リターンの将来予測に基き、政策アセット・アロケーション候補が選ばれます。また、負債分析では、給付額や給付債務などの負債の将来予測が行われます。年金ALM分析資産と負債の分析が終わりますと、掛金や積立水準などの年金財政の将来予測を行う年金ALM分析が行われます。この年金ALM分析結果にリスクの許容度を勘案して政策アセット・アロケーションを選定することとなります。
《運用基本方針の見直し》
政策アセット・アロケーションの選定後は、受託機関の選定や運用スタイルなどを決定します。これに基き、運用基本方針と運用指針の見直し(変更)を行い、運用機関に提示して資産の運用に反映させます。なお、運用結果は、定期的に検証・評価し、適正な運用を確保していくこととなります。
「年金」は、毎年、定期的に給付される金銭で、その額を「年金額」といいます。年金には公的年金や私的年金などの種類があり、年金制度により対象者や給付内容などが異なっています。公的年金として代表的な厚生年金における年金額は、加入期間中の報酬に比例した給付となっており、「報酬比例部分」といわれてきています。この報酬比例部分の算出は、加入期間中の〔平均標準報酬月額〕と〔加入月数〕を掛け合わせ、これに〔給付乗率〕を乗じて求めます。当基金における独自給付である上乗せ部分の年金額についても算式は同じです。なお、報酬比例部分における平均標準報酬月額は、従来は給与のみが対象となっていましたが、平成15年4月以降の加入期間については、総報酬制の導入により、賞与も給付の対象となっていますので、賞与を月額として加味した平均標準報酬月額となります。当基金の上乗せ部分については給与のみが対象となります。また、給付乗率は、報酬比例部分にあっては千分の5.481となっていますが、昭和21年4月1日以前生れの人の場合はその率を超える率が適用されます。当基金の上乗せ部分の給付乗率は原則一律に千分の0.7となっています。
年金額=平均標準報酬月額×加入月数×給付乗率
【年金受給権者】 (ねんきんじゅきゅうけんしゃ) 〔年金・財政〕 先頭に戻る
年金制度において年金を受けている人を一般的に「年金受給者」と呼んでいますが、制度的には、「年金受給権者」と呼ばれる人もおり、「年金受給者」と区別されています。このほか、「年金受給待期者」と呼ばれる人もいます。制度的な「年金受給者」とは、現に年金の支給を受けている人をいいます。ところが、「年金受給権者」という場合は、現に年金の支給を受けている年金受給者のほか、年金を受ける権利が確定している人も含まれます。年金を受ける権利が確定している人とは、年金を受ける資格要件(加入員期間や支給開始年齢)を満たしてはいるが、在職中等の理由で年金の支給が止められている人です。
【年金数理人】 (ねんきんすうりにん) 〔年金・財政〕 先頭に戻る
厚生年金基金などにおける決算等の年金数理に関する書類については、厚生年金法令において、厚生労働大臣が認めた者(年金数理人)が確認し、署名・押印することが定められています。このため、各厚生年金基金においては、年金数理人を指定し、年金数理に関して確認を求め、関係書類の厚生労働大臣に提出する必要があります。年金数理人となるためには、社団法人日本アクチュアリー会の正会員であることや厚生年金基金等の年金数理業務経験などの要件が定められており、厚生労働大臣が認めた者については厚生労働省に備えられている年金数理人名簿に登録されます。
【バランス運用】 (ばらんすうんよう) 〔運用〕 先頭に戻る
「バランス型」(バランス・ファンド)は、追加型投資信託の一つで、株式、債券、その他資産の三つの構成比率を大きく変化させずに、安定的な収益を追求しながら、株式の成長性を求めて運用するファンドです。株式の組入れ比率に一定の基準を設定して、株式と債券の二資産で運用するファンドなどもあります。
【パッシブ運用とアクティブ運用】(ぱっしぶうんようとあくてぃぶうんよう)〔運用〕先頭に戻る
「パッシブ運用」は、市場平均並みの収益率をめざす投資戦略です。パッシブ運用の代表的な手法がTOPIX(東証株価指数)などの市場指数に追随するインデックス・ファンドです。一方、「アクティブ運用」は、市場における情報を収集、分析することによって、市場平均を上回る収益率を達成する投資戦略です。当基金の資産運用においては、バランス型や国内債券特化型の運用においてパッシブ運用を採用し、国内株式と外国株式の特化型の運用においてアクティブ運用を採用しています。当基金の政策アセットミックス(資産構成)は、低リスクによるなどにより、パッシブとアクティブの比率は7:3となっています。
【標準報酬の上限設定】(ひょうじゅんほうしゅうのじょうげんせってい)〔運用〕 先頭に戻る
社会保険庁は、8月6日、厚生年金の平成15年度の収支決算が制度発足以降はじめて赤字(▲3,379億円)となったと公表しました。この主な要因は、10年度以降の被保険者の減少と賞与の見込みが下回ったためと説明されています。基金における標準報酬は、国(厚生年金)の標準報酬が適用されますが、基金においては国の標準報酬の上限を超えた設定ができることとなっています。国の標準報酬は、給与については下限98,000円から上限620,000円に区分され、賞与については1回の支払いにつき150万円が上限となっています。基金においては、この62万円なり150万円の上限を超えた標準報酬を設けることができるわけです。上限を超えた標準報酬の設定は基金の裁量となっておりますが、設定の判断要素は、上限のたまりが適当と考えられ、一部では、上限のたまり(上限該当者の数)の目安は5%といわれています。平成16年の年金改正での考え方は加入者の平均標準報酬の2倍が上限の目安とされています。上限の設定は、負担と給付を勘案して行うのが適当と考えられます。標準報酬の上限の引上げは、その分掛金が増収となりますが、一方で給付もその分増加することとなります。しかし、上限者の給付水準はより適切なものとすることができます。
【複合ベンチマーク】 (ふくごうべんちまーく) 〔運用〕 先頭に戻る
ベンチマークは、資産運用成績を評価する基準として、国内株式におけるTOPIXなどの市場指標(インデックス)が用いられ、複合ベンチマークは、複数の資産を組入れている場合の運用評価の基準値です。複合ベンチマークの基準値は、資産構成により異なり、各資産のベンチマークを資産構成比に応じた組合せにより求められます。
【福祉施設安定化資金】 (ふくししせつあんていかしきん) 〔年金・財政〕 先頭に戻る
福祉施設安定化資金とは、福祉施設事業の安定的運営を図るための積立金です。基金においては、加入員や受給者のための福祉事業として、各種給付金の支給や支援事業の実施あるいは保養所や会館の運営などが行われています。これらの費用は、通常は福祉施設掛金にて賄いますが、例えば、保養所や会館の修繕のための一時的な費用については、あらかじめ積立てておき、その費用に充てることが行われてきました。これが福祉施設安定化資金であり、この資金の活用により、事業主から一時的な費用の徴収を行うことなく、福祉施設事業が安定的に運営できることとなります。現在、福祉施設安定化資金の積立は行われていませんが、保有している基金においては、福祉施設掛金に替え、あるいは不足金への充当などとして使用されています。
基金財政における「不足金」とは、決算時に発生した債務で、通常、積立不足のことをいいます。不足金には、年金経理における不足金と、業務経理における不足金とがあり、会計処理の面で異なっています。
《年金経理上の不足金》
年金経理における不足金は、年金数理上の予定係数(計算基礎率)と実績との差によって発生します。年金経理においては、不足金が発生した場合、別途積立金を取り崩して不足金に充当する扱いとなっています。しかし、別途積立金がない場合や別途積立金が不足金に満たない場合は、不足金の全額または別途積立金との差額を「繰越不足金」として、翌年度に繰り越すこととなります。また、財政検証において、純資産額が責任準備金を下回った場合は、不足金を解消するために、掛金の変更計算により、特別掛金の設定を行うこととなります。ただし、責任準備金を下回る額が、一定(許容繰越不足金)の範囲である場合は、変更計算による特別掛金の設定を免れます。
《業務経理上の不足金》
年金経理における不足金は、年金数理上の予定係数(計算基礎率)と実績との差によって発生します。年金経理においては、不足金が発生した場合、別途積立金を取り崩して不足金に充当する扱いとなっています。しかし、別途積立金がない場合や別途積立金が不足金に満たない場合は、不足金の全額または別途積立金との差額を「繰越不足金」として、翌年度に繰り越すこととなりま業務経理における不足金は、当年度の収入金額よりも、当該年度の支出金額が多い場合に、その差額が当該年度の不足金として発生します。業務経理においては、剰余金を見込んだ予算編成が行われることから、通常は、当該年度において不足金が発生することはないといえます。しかし、業務経理において不足金が発生した場合は、決算上、繰越不足金として計上し、翌年度に繰り越すこととなります。
ベンチマークは、運用目標とする指標で、通常、資産毎の市場全体の収益率を示す指標が採用されるのが一般的です。当基金がガイドラインで示しているベンチマークも一般的なもので、運用機関各社が採用しているものと同一です。この資産毎のベンチマークは、次のとおりです。
国内債券 NOMURAボンド・パフォーマンス・インデックス総合(MURA-BPI総合)
*野村證券金融研究所公表
国内株式 東証株価指数(TOPIX)1部総合(配当込み)
*東京証券取引所公表
外国債券 シティグループ世界国債インデックス(日本を除く。円ベース)
*シティグループ・グローバル・マーケッツ社公表
外国株式 MSCIコクサイ インデックス(配当再投資・税引き前・円ベース)
*MSCI(モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル社公表
【ポータビリティ】 (ぽたびりてぃ) 〔年金・財政〕 先頭に戻る
「ポータビリティ」とは、”中途脱退者の企業年金間での年金権の持ち運び”です。 年金の加入者が転職によって、複数の厚生年金基金や企業年金を渡り歩いたとします。この場合、加入期間が短いと、それ ぞれの加入先では 基金や企業年金の年金が受けられなかったり、脱退一時金しか受けられないといったこととなります。 このような加入制度の中途脱退者が、転職先に前の加入制度の年金権や脱退一時金の原資を持ち込み、前後を一つにして 受けられる様になったのがポータビリティです。
【マネジャー・ストラクチャー】 (まねぇじゃー・すとらくちゃー) 〔運用〕 先頭に戻る
マネジャー・ストラクチャーは、最近使われるようになった言葉で、受託機関構成などと定義されています。マネジャー・ストラクチャーでは、バランス型運用機関の数や役割を見直し、運用機関の役割を明確化にして、政策的アセット・ミックスや運用方針を適切に実行する枠組みを構築することができるといわれています。どのような運用機関をどのように組合わせた受託機関構成とするかは、アセット・アロケーションと類似はしていますが、マネジャー・ストラクチャーは、アセット・アロケーションの調整機能や運用コストなども考慮して受託機関構成を構築するといったことも目的とされています。
【免除料率】 (めんじょりょうりつ) 〔年金・財政〕 先頭に戻る
免除料率は、国の老齢厚生年金の支給を基金が代行するために必要な分の保険料率です。基金加入の事業主は、厚生年金保険法で決められた保険料のうち、免除料率分は国(社会保険事務所)への納付を免除され、免除された保険料は掛金として基金に納めることとなっています。現在、厚生年金保険の保険料率は17.35%、当基金の免除料率が3.7%ですので、3.7%を基金に、残りの13.65%を国に納めることとなります。なお、当基金は、その他に、上乗せ部分の掛金率0.6%と過去勤務債務分の特別掛金率0.9%を納めていただくこととなっていますので、年金給付に係る掛金率は現在、合計52%となっています。
予定利率は、一般的に、掛金の算定において前提となる資産運用の収益率の見込みを表します。年金制度における事前積立方式では、年金資産から得られる運用収益をあらかじめ見込んで掛金を算定することとなっています。したがって、予定利率が高ければ、運用収益を多く見込むこととなりますので、掛金は低く、逆に、予定利率が低ければ、掛金は高く算定されることとなります。この予定利率は、個々の基金が定めることとされ、通常5.5%が用いられ、当基金も掛金算定にその率を用いていますが、最近の運用環境の中にあっては実態に即していない現状にあります。
最低積立基準額における予定利率掛金の算定のほか、基金が資産を積立てるべき最低積立基準額の算定においても予定利率が用いられています。この最低積立基準額の算定に用いる予定利率については、従来、20年国債の直近5年平均により設定されていましたが、平成15年度における弾力化措置として、5年平均に0.8〜1.2を乗じた予定利率とされ、その範囲で基金が決めることとなりました。なお、従来の直前の財政検証による予定利率及び厚生労働大臣の定める企業年金連合会での使用予定利率についても選択肢となっていますので、個々の基金は運用予想などにより使用する予定利率を代議員会で決定することとなります。
理事会は、代議員のなかから選出された理事によって構成される基金の執行機関で、設置義務や規約での定数の定めは代議員会と同様です。 理事のうち1名(選出)が理事長として基金を代表します。また、理事のうち1名を常務理事(理事会の同意を得て理事長が指名)にあて、常時の業務執行にあたります。
リそなの許容乖離幅は、全体の資産構成割合(政策アセット・ミックス)のリバランス(崩れた構成割合を元に戻す)のためのものでもあります。
【流動資産・固定資産】 (りゅうどうしさん・こていしさん) 〔年金・財政〕 先頭に戻る
「流動資産」や「固定資産」は、年金経理における貸借対照表の資産勘定科目です。流動資産には、現金や預貯金のほか、未収の掛金、受換金、政府負担金や返納金といった資産があります。未収の各資産は、債権として発生はしていますが、収納時期が年度内に未到来のため、翌年度に繰越され、その年度の決算上に未収金として処理・計上されます。ただ、未収の掛金や返納金には滞納分が含まれます。固定資産は、運用資産であり、その形態により信託資産、保険資産、共済資産や投資に区分されます。当基金の資産運用は、信託銀行や投資顧問会社において行っており、信託資産のみとなっています。
【流動負債・支払備金】 (りゅうどうふさい・しはらいびきん) 〔年金・財政〕 先頭に戻る
「流動負債」や「支払備金」は、年金経理における貸借対照表の負債勘定科目です。流動負債は、各種の未払い金であり、流動資産の場合とは逆に、基金の支払義務が発生している支払時期未到来の負債です。この流動負債には、未払いの拠出金、運用報酬、業務委託費、コンサルティング料、指定年金数理人費、政府負担金返納金や特別法人税のほか、預り金があります。支払備金は、給付費にかかる未払い金で、一般事業費の未払い金と区別して決算上に計上することとなっています。
純資産額 = (流動資産+固定資産)−(流動負債+支払備金)
レンジ(幅)は、正しくは資産構成割合の設定において許容される乖離の範囲(許容乖離幅)をいいます。資産を複数の種類の資産(債券や株式など)にて受託機関が運用する過程では、時価の変動などにより資産構成や配分割合が保てなくなり、修正する必要が生じます。しかし、厳密に修正しますと、常時修正することになり、そのためのコストもかかることとなります。このため、構成(配分)割合が変動してもそれを受託機関に許容する範囲(レンジ)を基金が定めています。このレンジは、通常、構成(配分)割合を中心にし、±2〜5で設定されますが、設定幅をより高め、市場の動向などをとらえて、基金がその範囲で中心値を変動させる(レンジを活用する)ことにより効率的な運用効果を期待することができます。
【ロング・ショート】 (ろんぐしょーと) 〔運用〕 先頭に戻る
ロング・ショートとは、ある証券のロング(買い)と別の証券のショート(売り)を同時に行うもので、オルタナティブ(代替)投資の一種であるヘッジファンド手法による投資戦略の一つです。具体的には、割安と判断した証券を購入し、割高と判断した証券を空売りすることによってポートフォリオを構築して超過収益を狙う仕組みとなっています。このロング・ショートには、戦略の一形態としてマーケット・ニュートラル戦略があり、ロング部分とショート部分の市場連動リスクを取らないことで、リスクを抑えながら超過収益を狙うものです。なお、このたび、当基金が組入れる大和住銀の「日本株LSニュートラルF-1」もこのマーケット・ニュートラルのロング・ショートです。